君がくれた青空
同じ年、中3の夏。
彼らのチームは優勝を果たした。

約束を守ってくれた。

けれど私は彼の異変になんて
全く気付いていなかった。

夏休み、残り1週間。
友達と水遊びをすることになって
彼を誘った。

「遊びたいけど、俺明日手術なんだよね笑」

頭が真っ白になった。
何を言ってるのか分からなかった。
それも、知らなかったのは仲良い中で
私だけ。
口止めしてたらしい。
あいつが心配するから言うなって。

何も気づかず、頑張れ と言ってしまったこと。
彼の気遣いにすら気を遣わせたこと。
全てに後悔をした。

心の底からバカだなって思った。
背中を冷や汗がさーっと流れる。


不安が込み上げてきて息ができない。
苦しくて涙目になる私を察したのか
"大丈夫"
と一言だけ彼は送ってきた。

3日後の朝。
起きてスマホを見ると、"悠介"の文字。
慌てて開くと、手術後の写真と
一緒に"マジ痛い“というメッセージ。

なによりも、LINE出来るだけの元気が
あることに1番安堵した。

それから怪我が治って部活に
復帰するまで話をした。
とってもくだらない話ばかり。
たまには愚痴も聞かせて。
たまにはバカみたいな話をして。   

その時に私の心は見つけた。
二つ目の居場所。

彼のおかげで私は
心から笑えるようになっていた。
作り笑いをしそうになっても
"無理に笑わなくてもいんじゃねーの“
って言葉を思い出すと
なぜか自然と笑えた。

そして思った。
彼に今まで支えて貰ったぶんの
恩返しがしたい。 と。
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