私がまだ好きなこと、君は知らない
中学3年生になっても、その関係性は変わらなかった。
クラスが違ったから簡単には会えなくて。
部活に来てくれないから全然話せなくて。
だけど、そういう時間が長くなればなるほど、私は彼のことを好きになった。
彼のクラスの教室前を通るときは、彼を探して。
廊下ですれ違うときは、気付かれないように彼を目で追って。
なんだか、別れてからのほうが恋をしているようだった。
そんな生活を送っていたら、彼と同じクラスだった友人に言われた。
「そんなに好きなら、手紙書いたら?届けてあげる」
私はその言葉に甘えて、手紙を書くことにした。
どんな言葉で想いを伝えたのか、はっきりとは覚えていないが、そのときの素直な気持ちを言葉にしたような気がする。
どんな返事が来るのか、怖かった。
でも、もしかしたら前みたいな関係に戻れるかもしれないと、淡い期待を抱いていた。
だけど、いくら待っても、彼からの返事がなかった。
友人が返事を催促してくれたらしいけど、自分で伝えると、教えてもらえなかったらしい。
でも、私がその答えを知る日も来なかった。
返事をもらえないまま卒業式の日を迎え、私たちは別々の道に進むことになった。