【短編】あなたの代わりに死ぬはずだった
●1本の電話
ある日
1本の電話が鳴った

あなたのお父さんからだった

すすり泣く声
今でも忘れられない

無理矢理押し出すように
言葉にならない声で
一生懸命伝えてくれた

「娘が死にました」

私も一緒に受話器を片手に
泣いたよ

親が子を亡くすって
こんなに辛いんだって思った

あなたを追って死ねない

それならば
殺されてしまえばいい

本気で願ったんだ
バカだよね
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