禁忌は解禁される
「何?そうなの?」
「ううん。そんな訳ないでしょ?私達は姉弟だよ。
姉弟なの!だから無理だよ?
だから、もう…離して?」

「だからぁ!無理だっつてんじゃん!
禁忌なんて、くそくらえなの!」
「ンンン……やぁ…」
颯天が一颯の、口を塞ぐ。
それからは颯天の激情を、ただただ受けていた。
抵抗なんて、できないくらいの力だった。
どこからこんな力が出るのだろう。

「も……お願…もたな、い……」
「まだまだ……止まんねぇ…」
一颯が逃げようと、背を向けると後ろからも責められる。
身体中にキスマークがついて、颯天の支配から抜け出せない。

━━━━━━━気づくと、一颯は意識をなくしていた。

「一颯?」
「………」
「無理…させすぎたな……」
「………」
「フフ…可愛い……」
颯天は一颯を包み込むように抱き締め、眠りについた。




「ん……」
朝、一颯が目を覚ますと颯天はまだ眠っていた。
まるで、宝物を抱えこんでるように抱き締められていた。
身体中、キスマークだらけだ。

こんな支配…
思わず一颯は、笑みが溢れた。

「颯天…私だって、好きなんだよ。
颯天が表に出てくれるなら、喜んで一緒にいるのに……」
颯天の頬を撫でた。

でももう……無理なんだ。
だったら、私は姉で居続けるだけだ。

でも、颯天の覚悟はこんなものではないのだ。




一颯はそれを全くわかっていなかった━━━━━━



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