禁忌は解禁される
七夜が優しく、一颯の耳に触れる。
「ん……」
「ついた」
「ありがとうございます。
どう…ですか?」
「綺麗だ…////」
そのままテーブルに腰掛け、一颯の頬に触れる七夜。
そして井田達に、二人で話したいとこの場から退かせる。

「━━━━━━ほんとはね…」

「え?」
「全部…知ってますよ。
貴女がなぜ、ここまで待ってほしいと言ったのか……」
「え……?」

「颯天くん…ですよね?
貴女の心にストッパーをかけてるのは……」

「……どうしてそれを…?」
「半年も待たされて、何もしないで待ったりしませんよ」
「それを知ってて、私を待ってたんですか?」
「はい。それでも僕は…あなたがほしいので……」
「どうして…?父の組がほしいとか?」
「うーん。それもないとは言えませんが……純粋に一颯さんに恋をしてます。
自分でもびっくりしてるんですよ。
一年前のパーティーで、一目…遠くで見ただけで目が離せなくて、恋に落ちたんですから。
一颯さん、それまではパーティーに出たことがなかったらしいですね」
「えぇ。私は母を殺した裏の世界が嫌いなので。
だって父の出るパーティーは全て、そうゆう絡みだから。
母が亡くなってから、出たことありませんでした。
でも、颯天が高校卒業して裏の世界で生きようとしているのを知って、私も表に出なきゃと思って。
そうすれば、颯天が成人して私が表の世界で守ることができるかなと思ったんです」

「でも、颯天くんは父上の跡を継ぐと決心したんですね?」
「はい」
「だから、僕のところに……」
「はい。あ、でも、七夜さんを利用してるわけじゃ……」
「フフ…わかってますよ。少しずつ…僕を知ってくれれば」
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