禁忌は解禁される
「━━━━とゆうことです」
『わかった。組長には伝えておく』
「でも、きっと…若の耳にも入るんでしょうね…」
『おそらくな』
「………」
『井田?』
「銀二さん」
『ん?』
「今日の姫、どうされたんでしょうか」
『さぁな?』
「若の話を極端に避けられるんです。
今回も言わないでなんて……」
『何があったかは、わからない。
でも…俺達は、ただ見守るだけだ。お前もしっかり支えてやれ!姫を』
「はい」
井田と銀二の会話。
部下達も、色々な思いを持って主人に従っているのだ。

「井田さん」
「ん?」
「姫が今日は帰らずに、ここで待つとおっしゃってますがどうしますか?」
「じゃあ、一樹さんにそう伝えてくれ」
「わかりました」
そして七夜の意向で一颯は部屋を用意してもらい、スイートルームで待つことになった。



その頃の、颯天。

「へぇー、お前が若頭ねぇ…」
「お前みたいなガキが、組背負えんの?」

組の傘下の事務所に来ている、颯天。
一回り以上歳が離れた組員達を前に、ドカッとソファーに座る。
中には颯天が次期組長になるのを認めていない組員もいるだろうと言うことで、颯天が事務所を回っている。
「だったら辞めれば?組。
今なら、いいよ?俺が責任持つよ!」
「あ?
ガキが、何言ってやがる!?」
颯天の胸ぐらを掴み、凄んでくる。

「フフ…怖いの?親父が!」

「うちの親父は冷酷だからな~!
怖いよな~おっさん達は。後からどんな制裁が待ってるかわかんねぇもんな!
俺は、全然怖くねぇけど!!」
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