禁忌は解禁される
もうすぐ日付が変わるという時だった。
七夜のスマホに支配人から、連絡が入った。

「はい、どうした?」
『先程スイートから連絡があり、神龍寺様から至急七夜様に部屋にきてほしいと……』
「そう…わかった。すぐに向かう」

部屋前でチャイムを鳴らす。
「一樹です。お呼びでしょうか?」

カチャッとドアが開いて、簡単にガウンを羽織った颯天が出迎えた。
「どうぞ?」
ドアを開け、七夜に入るように促す。

「は?
しかし……」
七夜は入るのを躊躇う。
颯天の乱れた格好を見るだけで、何があったかわかったから。
「入れよ!客の言うこと聞けねぇの?」
「いえ…失礼いたします…」

中に入ると、一颯はいなかった。
「フフ…。
一颯はベットだよ」
「え?」
「そうゆう目、してたから」
「で、御用はなんですか?」
「会いたい?一颯に」
「は?」
「いいよ、ベットにいるから会いに行けば?」
颯天の含んだような顔。

「………何を企んでる?」
「別に!現実を教えたいだけ。それには、口で言うより見せた方がいいかなって!だから、どうぞ?」

ここで部屋を出ることもできた。
でも…それよりも、一颯のことが気になって七夜はベットに足を進めた。

━━━━━━!!?

そこにいた一颯は眠っていて、シーツから覗く肌には身体中のあちこち(正確には背中と足しか見えない)にキスマークがついていた。

七夜は身体が震えていた。

それが颯天への怒りなのか、あまりにも色っぽくて綺麗な一颯への欲情なのかわからないが。
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