禁忌は解禁される
そのまま眠ってしまった、一颯。

「姉ちゃん~ただいま!入っていい?」
「………」
「……いないの?」
襖を開け中に入る、颯天。

「姉ちゃ━━━━━
…って、その格好……ダメだろ…!」
あまりにも無防備な格好に、さすがの颯天も苦笑いをする。
身体中には、まだ颯天のつけたキスマークがハッキリついている。

「てか!!こんな格好…襲われても文句言えねぇな…(笑)」
ベッドまで運ぼうと一颯を抱えようとして、テーブルに目が入る。
七夜が一颯にプレゼントしたであろう、ピアスが目に入る。

颯天からすれば、自分以外の人間が一颯へ贈った贈り物なんて、不快以外の何者でもない。
処分しようとして、そのピアスをケースごと掴んだ。

「んん……え…颯天?」
「おはよ、そんな格好で寝るなよ!風邪引くし、襲うよ(笑)」
「え……?あっ!ご、ごめん!
すぐに着替え━━━━っくしゅん!寒い……」
「だから、言わんこちゃない…!」
そう言って、颯天は着ていたジャケットを一颯に羽織らせた。

「なんか…一颯の方が年下みたい……」
「え?」
「だって俺のジャケット着ると、コートみたいなんだもん!
一颯、小せーし」
「し、失礼なっ!颯天が大きいんだよ!
……でもこれ、なんか…」

颯天に抱き締められてるみたい……

「何?煙草臭いとか言うなよ!」
「は?ち、違うよ!」
「じゃあ、何?」
「なんでもない!着替えくる!」

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