禁忌は解禁される
帰りの車内。
「どうして、颯天がいたの?」
「今回のパーティー、表向きは普通の婚活パーティーですが、裏で薬の売買がされていたらしいです。
しかも、うちの下っ端の連中が絡んでたらしくて、それでおそらく若が……。
うちは薬は、ご法度なので………」

「そう……
颯天、お父さんみたいだったね……」
「でも…あれが若頭なんです。ヤクザに情けなんて必要ありません」
「だから…嫌なの…!あんな残酷なこと……」
「でもそれを決めたのは、若です!
若は我々全ての人間の命を背負ってます。だからどんなに酷く辛いことでも、先頭にたってやっていかなければならないんです。
でもそれは、姫もわかってるはずです!」
「………そうね」

一颯は家に帰り着いてからも、部屋でソファーに座りただボーッとしていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから数時間後に、颯天が帰ってきた。
「お疲れ様ですっ!」
「若?」
颯天はかなり機嫌が悪く、誰も近づけない程だった。

「若!先程は━━━━━━」
ガン━━━━━!!
玄関から出てきた銀二を、そのままドアに押し付ける。
「なんで、あそこに姉ちゃんがいた?」
「ご友人と、パーティーにいらっしゃてただけです。
もちろん、薬のことなど知りません」
「お前がついてたってことは、親父は知ってたんだよな……。
それにあのパーティー、婚活パーティーらしいじゃん。なんで、そんなところに行くのを許可したんだ」
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