禁忌は解禁される
一颯と銀二
「わかった……」
「ん。じゃあ…いいよ?」
やっと解放され、颯天の部屋を出た。
そのままシャワーを浴びに行き、風呂場を出ると銀二がいた。
「姫、おはようございます」
「おはよ」
ニコッと微笑んで、行こうとする銀二。
「あ、銀くん!」
「はい、どうかされました?」
「昨日はごめんね…颯天に怒られなかった?」
「いえ、大丈夫ですよ」
銀二の柔らかな、切ない表情。
銀二がこんな顔をする時は………
「怒られたんだね…。
ごめんなさい…」
頭を下げる、一颯。
「え?姫…?」
「見れば、わかるよ?
何年、一緒に暮らしてると思ってるの!」
「━━━━━!!!?」
一瞬、律子と重なる。
【銀二、ちゃんと言いたいことは言っていいのよ。
あなた、すぐに顔に出るんだから!
………何年、一緒に暮らしてると思ってるの!】
「銀、くん?」
上目遣いに顔を覗き込む、一颯。
「あ…いえ、何も。ほんとに大丈夫ですから。
お気になさらないで下さい」
一颯に目が合わせられず、そらしながら言い、その場を逃げるように去る、銀二だった。
銀二は律子に特別な感情を抱いていた。
それは…銀二にとってある意味、初恋だった。
最初は姉のように律子を慕っていたが、いつしかそれは誤魔化しようのない“愛情”に変わっていた。
だから、律子を失った今、一颯に特別な想いを抱いている。
それが愛なのかはわからない。
でも今一番大切な人には変わりないのだ。
「ん。じゃあ…いいよ?」
やっと解放され、颯天の部屋を出た。
そのままシャワーを浴びに行き、風呂場を出ると銀二がいた。
「姫、おはようございます」
「おはよ」
ニコッと微笑んで、行こうとする銀二。
「あ、銀くん!」
「はい、どうかされました?」
「昨日はごめんね…颯天に怒られなかった?」
「いえ、大丈夫ですよ」
銀二の柔らかな、切ない表情。
銀二がこんな顔をする時は………
「怒られたんだね…。
ごめんなさい…」
頭を下げる、一颯。
「え?姫…?」
「見れば、わかるよ?
何年、一緒に暮らしてると思ってるの!」
「━━━━━!!!?」
一瞬、律子と重なる。
【銀二、ちゃんと言いたいことは言っていいのよ。
あなた、すぐに顔に出るんだから!
………何年、一緒に暮らしてると思ってるの!】
「銀、くん?」
上目遣いに顔を覗き込む、一颯。
「あ…いえ、何も。ほんとに大丈夫ですから。
お気になさらないで下さい」
一颯に目が合わせられず、そらしながら言い、その場を逃げるように去る、銀二だった。
銀二は律子に特別な感情を抱いていた。
それは…銀二にとってある意味、初恋だった。
最初は姉のように律子を慕っていたが、いつしかそれは誤魔化しようのない“愛情”に変わっていた。
だから、律子を失った今、一颯に特別な想いを抱いている。
それが愛なのかはわからない。
でも今一番大切な人には変わりないのだ。