禁忌は解禁される
「楽しみ~」
「フフ…」
少なからず銀二も楽しんでいた。
なんかデートみたいだな…と銀二は思う。

「フフ…デートに行くみたいだね!」
「え?」
「あ、ごめんね…!
やだよね、私じゃ……銀くんはママがいいもんね(笑)!」
「え……あの…姫?」
「え?違うの?銀くん、ずっとママのこと好きなんでしょ?」
「いや、あの…」
「フフ…わかりやす~い!ほんと顔に出るよね?銀くんって!」
銀二はまた律子と一颯を重ねていた。
どうして、二人はこんなにも俺のことがわかるのだろう。
どうして、二人はこんなにも心を荒らすようなことをするんだろう。

「姫…着きましたよ」
「うん、ありがとう!」
ドアを開け、手を差しのべる。
その手を小さく握り、外に出る一颯。

この二人、ほんとに姫と騎士のようだ。
「……銀くん、もう…手、離して?」
「人も多いし、せっかくなんで手を繋ぎましょう」
「え?」
姫が俺の心を荒らすなら、俺もしたいようにする。
少し意地悪をしたい。
そんな気持ちで、手を引く銀二だった。

「うわぁ~結構色々な種類があるね~」
「そうですね」
「とりあえず、お父さんと颯天と、銀くんは?どんなのがいい?買ってあげるよ?」
「あ、いえ…私は……」
「銀くんは、いつも忙しいからやっぱ癒し効果があるのがいいよね?」
そう言って、銀二を引っ張りながら色々見て回る一颯。

「可愛い…」
「ん?何?人が多くて聞こえない…!」
「いえ…」
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