禁忌は解禁される
「颯天が三歳の時に、颯天のご両親が事故で亡くなって、お父さんとママが引き取ったの。
お父さんと颯天のご両親夫婦は、親友なんだよ」

「嘘だろ…」
信じられない思いで、一颯を見つめる颯天。

「ほんとだよ。
でもこの事言ったら、颯天…すぐにでも籍を抜いて結婚しよって言うでしょ?
私はこの世界嫌いだったから、そうなったらもう一生ここから抜け出せないから、言えなかったの。
ごめんね……。
でももっと早く言えばよかった。
こんなことになるなら……」
「一颯、もう帰ろ!帰ってゆっくり話そうよ!」

「ダメだよ!最後は私にも、颯天やみんなを守らせてよ!
ママがよく言ってたの思い出したの。
私は組のみんなにいつも守ってもらってばかりだって。だから、私は絶対死なない。
でも…もし、私が死ぬようなことがあったら、その時は………組のみんなを守った時だって!
今ならわかる。
ママはきっと組のみんなの為に、ここで死んだんだなって!
きっとここで、ママは自分で死んだんでしょ?
お父さん」

「……あぁ、そうだ。
俺達を守ろうとして、自分で首を切ったんだ」

「颯天…私、颯天を愛してるよ!
それだけは、忘れないで!
七夜さんと結婚しても、それは変わらないよ!
それに、犯すんでしょ?私が他の男の人のとこに行っても。
だったら、毎日犯しに来てよ!
待ってるから!」

「一颯……」

「だから、颯天…もうみんなを連れて帰って?
お願い…」

そして一颯は、七夜に向き直り、
「七夜さんと結婚します。
でも、忘れないで下さい!
私が愛してるのは、颯天です。
それは、一生変わりません!」
とはっきり言った。

< 54 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop