禁忌は解禁される
「あなたは……どこまでも、颯天なんですね…!」
「え…?」
「だったら、いらない……」

七夜の様子がおかしい━━━━━
「え━━━━?」

七夜が、一颯に向かってナイフを振り上げた。
「一颯!!!?」
その瞬間、一颯は颯天に抱き締められ、た。

━━━━━━━━━━!!!

「…っつ…」
「え……颯、天…?」
「え?俺…痛く、ない……。
━━━━━!!」

「組長!?」
「くそっ…!いてぇ……」
「お父さん!?」
「親父!?」
颯太の背中に、ナイフが刺さっていた。

「二人とも……怪、我は…?」
「ないよ!ない!お父さん?嫌!どうして…!?」
「親父!?なんで!?」
「お前等の親父だからだよ……。
颯天…黙ってて……悪かった、お前の本当の親のこと……。
律子との約束でな。それに、お前は俺と律子の息子には変わりないしな……」
「親父……もう…しゃべるな……」

「一颯…ごめんな……また、お前にトラウマ抱えさせるな……」
「嫌!逝かないで!お父さん!?お願い……」
「もう…律子のとこに逝かせてくれ……。
颯天と一颯がいれば、この組は安泰だ。
…………っつ…あとは銀二に任してある。
銀二!お前等で、二人を支えてやってくれ!!」

「「「組長!!!?」」」

「お父さん!?嫌!!!
お願い…ママ!!お父さんを連れて逝かないで!!!
嫌……嫌ぁぁぁーーー!!!」

「親父ーーー!!?」



最期に、颯天と一颯の頬を撫でた颯太の手がパタンと落ち、た。


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