禁忌は解禁される
その後も、地獄だった。

颯天や銀二達に、七夜や霧島組の人間はボロボロになぶり殺され、もう………そこは惨劇だった。

律子が亡くなったあの時のように、そこは地獄の現場になった。



霧島組、大雨、雷、そして颯太の死と共に━━━━




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
惨劇から帰ってきた、一行。
「颯天…」
「ん?」
「ママが、連れてっちゃったね、お父さんを」
「うん…」

「颯天…私と結婚してくれる?」
「え?」
「昨日、お父さんに聞いたの。
ママの想いを」
「母さんの?」
「うん」

【律子が言ってた。
将来、颯天を籍から外して一颯と結婚してもらうって。そして、二人にこの組を任せようって。
もちろん、二人の意思を尊重する。でも私の思いを二人に伝えたいって。
律子はお前等のお互いへの想いに、早くから気づいていたんだと思う。
だから、こんなこと言ったんだと俺は思う】

「だからね、私はママの想いを聞き入れたい。
颯天が私を本当に愛してくれてるなら、もう…私も覚悟を決める!
私、颯天と生きていきたい!
本当はそう言うつもりだったの」

「俺は、最初から一颯と生きていくつもりだったよ!」
「そうだよね…!」
「ほんとにいいの?
俺、一生放さないよ!」
「一生…放さないでよ!」
「だな(笑)」

颯天が一颯を抱き締める。
「幸せになろうな!一颯」

「うん…!この組のみんなで一緒に……」


一颯も颯天を抱き締め返した。

< 56 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop