禁忌は解禁される
「姫?」
「あ、銀くん。
今の聞いてた?」
「えぇ。すみません。
完全にこの場を放れられないので……」
「そう…」

「私共も組長と同じですからね!」
「え?」
「坊っちゃんや…特に姫は、大切な宝物です。
姫と姐さんは、この地獄のような世界の俺達の癒しです。
今でも……」

「フフ…ありがと!」
「いえ////」
「おやすみ、銀くん」
「おやすみなさい」

部屋に戻り、ベットにダイブする。

「お見合い相手、どんな人だろう。
優しい人がいいなぁ。
この家のみんなみたいな…
………颯天…みたいな…人がいいなぁ」
独り言を言っていて、涙が溢れてきていた。

颯天の好きな人━━━━

「誰なんだろう…好きな人。
やっぱホステスさんかなぁ。
早々に想いを伝えなくてよかったかも…?(笑)」

颯天は本当の血の繋がった姉だと思っている。
だからこそ、早くこの家を出て“普通”の生活がしたい。
そうすれば、颯天とも“普通”の姉弟でいられるのだから。
早く……出ていかなければ、もう…想いが溢れて止めれなくなってきている。


でも、一颯はわかっていなかった。
颯天のとんでもない覚悟を。


そして、運命の成人式を迎えた━━━━
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