オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
俺は彼女と相合傘をして、タクシー乗り場まで歩いた。
「名前は?」
「染中美苑です」
染中??染中社長のご令嬢?でも、社長は独身だと訊いたけど。
深くは訊けなかった。
「俺は相馬祐早斗だ…『ソーマ』でMRをしている。染中社長とは仕事を通じて知り合った仲だ」
「そうですか…」
「びしょ濡れの捨て猫のようだな…お前」
俺は雨に濡れ、額に貼り付いてしまった前髪を横分けした。
メイクも雨で剥がれ、すっぴんに近い素顔だったけど、美人な顔立ちをしていた。
メイクをして着飾れば、美しくなる女性だった。
タクシーの運転手はずぶ濡れの彼女を乗車させるコトを嫌がった。
俺は持っていた七万円を「乗車代とクリーニング代だ」と言ってタクシーの運転手に渡した。
ようやく運転手も承諾して、彼女を乗せる。
「乗車代とコートと傘は必ず返します・・・」
「別に要らない…全部お前にくれてやる…要らないなら処分していいぞ」
「でも・・・」
「いいと言ってんだ…遠慮すんな…」
そう言い捨て、ドアを閉めた。
それが忘れかけていた最初の出逢い。
「名前は?」
「染中美苑です」
染中??染中社長のご令嬢?でも、社長は独身だと訊いたけど。
深くは訊けなかった。
「俺は相馬祐早斗だ…『ソーマ』でMRをしている。染中社長とは仕事を通じて知り合った仲だ」
「そうですか…」
「びしょ濡れの捨て猫のようだな…お前」
俺は雨に濡れ、額に貼り付いてしまった前髪を横分けした。
メイクも雨で剥がれ、すっぴんに近い素顔だったけど、美人な顔立ちをしていた。
メイクをして着飾れば、美しくなる女性だった。
タクシーの運転手はずぶ濡れの彼女を乗車させるコトを嫌がった。
俺は持っていた七万円を「乗車代とクリーニング代だ」と言ってタクシーの運転手に渡した。
ようやく運転手も承諾して、彼女を乗せる。
「乗車代とコートと傘は必ず返します・・・」
「別に要らない…全部お前にくれてやる…要らないなら処分していいぞ」
「でも・・・」
「いいと言ってんだ…遠慮すんな…」
そう言い捨て、ドアを閉めた。
それが忘れかけていた最初の出逢い。