オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
明日も早いし、主役だけど、一次会でお別れした。
「染中さん!!」

芦沢君が私を追い駆けて来た。

「染中さん、二人で飲みに行かない?」

「今夜はちょっと…明日早いから…折角のお誘いだけど…ゴメンなさい」
と私は丁重にお断りした。

「栗原さんのコトなんて…忘れろよ」
私の眼鏡を奪った。

「眼鏡ない方が断然、キレイだよ。染中さん」

「返して!!」

私は芦沢君から眼鏡を取り返そうと手を伸ばした。

「俺とひと晩付き合ってくれたら、返してあげる・・・」

芦沢君の出した不埒な条件に驚愕する。

「それは無理です…」

「栗原さんに悪い?」

「悪ふざけはやめろっ!!芦沢」

誰かが私の背後に立って、芦沢君に向かってスプレーを噴射させた。
その隙に芦沢君の手許から眼鏡を奪い返し、私の左手を掴む。

「行くぞ!染中さん」

私を救い、眼鏡を取り返してくれたのは栗原さん本人だった。

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