オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
******

「あれ?濱部社長は?」

バスローブ姿の栗原さんがタオルで濡れた髪を拭きながら出て来た。
首許には銀色のロザリオ。
栗原さんってクリスチャン?ロザリオも気になったけど、バスローブの袂から見える胸板にドキドキした。

「あ…やっぱり気分悪いと言って…寝ちゃいました」
「・・・妹を守らなくていいの?」


「濱部社長はきっと栗原さんのコトを信用しています。だから、こうして安心て寝たんだと思います」

「そう言われると…何も出来ないなぁー…」

私を本気で襲うつもりだったの?

「君の相手は社長だろ?」

「そうです」と思わず返してしまった。

「さてと秘書の朝は早いし、君も寝たら?」

「何処で?」

「あ…俺の腕の中で眠りたいなら、ソファだけど…」

「いえ…遠慮しておきます…」

「じゃベットで寝たら?兄と妹だって分かったんだ。
寝てても、安心だろ?つーか…お兄さんはもう熟睡してるし。大丈夫だよ…あの人、真面目で常識人だから」


私はベットに潜り込み、先に寝た濱部社長の方を見つめた。

「髪の毛乾かして来るよ…じゃ」

栗原さんは、洗面ルームに戻ってしまった。
< 131 / 245 >

この作品をシェア

pagetop