オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

私は栗原さんに言われ、濱部社長の隣で就寝した。

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夢の中、染中社長が久しぶりに登場した。
沖縄出張に行く直前。

母と私、社長の三人で『ダイヤモンドホテル銀座』最上階のフレンチレストランでディナーをした。

「そうだ・・・美苑さん」

「何ですか？」
三人で暮らし始めて一年が過ぎようとしていた。
でも、未だに染中社長のコトを『お父さん』とは呼べなかった。

染中社長は無理強いしなかった。
母を大切にして、私を実の娘のように可愛がってくれた。

彼は天蓋孤独の身で、幼少期は施設で育ったと言っていた。
『染中薬品』に就職。働き振りを染中社長に認められ、養子縁組をして、社長に就いた。
今でも、自分の育った施設には寄付をし、子供たちの学費の援助していた。

施設の子供たちには『お父さん』として親しまれていた。
その子供たちの中でも、飛び抜けて頭のいい子が居た。彼は関西の難関大学・京都大学医学部に現役で合格。首席で卒業し、今は附属病院で研修医として働き、人の命を救っていた。