オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「…愛人としてなら、認めよう…しかし、本妻としてなら…君には別れてもらう…美苑は未来の霞が関の華になる女だ…」
「言葉を返すようですが…美苑は知可子ママの後を継ぐ意思はない…普通の暮らしを望んでいます」
「普通の暮らしとは何だ?この私の娘として生まれたんだ…父の為に尽くすのは当然だ」
「…あなたは狂っている…美苑は貴方の所有物ではない…」
「…相馬会長…彼に全てを話していいか?」
「それは…」
親父は樋口外務事務次官の言葉に困惑した。
「…本来なら、君と美苑は愛し合うコトの出来ない人間同士だ。なぜなら、君の祖父と父親が染中社長を殺したからだ…」
「嘘だろ!!?親父」
親父は口を噤み、眉を歪める。
「美苑を『ソーマ』に入社させたのは…この私だ。この私から知可子を奪った染中を始末してくれたんだからな…上手く…改ざんという罰まで与えて…美苑の入社はその褒美だ」
「じゃ最初から美苑の素性は…」