オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
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耶刃から栗原は相馬家に復讐する為、『ソーマ』に入り込んだと訊いた。

コトの発端は、耶刃の兄・武刃(ムトウ)さん。

彼と栗原は京大医学部付属病院の循環器内科に勤めていた。

武刃さんと耶刃の母方の実家は武蔵野市にある『双樹会総合病院』の院長一族。
武刃さんは次期院長。母親の勧めで、京大医学部付属病院で、医師としてキャリアを積んでいた。

そんな折、研修医として栗原が入って来た。
栗原は医学部を首席で卒業したエリートだった。
医局の教授たちの期待を一身に背負った将来有望な医師の卵で。

ある日、二人は当直で一緒になった。

その日の夜、急患は運び込まれて来た。
武刃さんの所見ミスで、投与された薬によって、患者は意識不明に陥った。幸い、その後の栗原の処置により、回復した。

武刃さんは、そんな栗原に礼を言う処か、逆に自分のミスを栗原に被せた。

元々、二人の折り合いが悪く、武刃さんは母の実家の力と金、父が常務を務める『ソーマ』の力を利用して、教授たちを買収し、栗原を退職に追い込んだ。









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