オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「・・・」

「染中社長を殺したのが実の父親だと言う事実が…染中さんにとっては残酷なんです」

「栗原…でも、俺はあの葬儀の後直ぐに…」

「…それは本当に唯の武者修行に行かせたんですよ…」

「…まぁ、臨床データの改ざんに加わったのは亡き会長と常務ですよ…社長は知らなかったと思います。染中さんをこの会社に入社させたのは…いざとなった時の保険です。亡き会長はともかく・・・事実を隠したかった…でも、自分の周辺を探る俺の存在を知り、ヤクザを雇い、拉致を試みた。しかし、ヤクザが拉致したのは俺ではなく濱部社長。
樋口外務事務次官のご子息。自分で自分の首を絞めたんですよ…それが…事務次官の耳に入り、相馬家も樋口外務事務次官の配下に入ってしまった。染中社長を殺した人間と染中社長に改ざんの罪を被せた人間が繋がってしまった。まぁ―・・・相馬家は大いに利用価値のある家ですからね。
その失態の報復の矛先が俺に向けられると思った俺は…一旦、『ソーマ』を退職。何も知らない社長に直訴して、泣きついたんです」