オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「アイツ…また患者の付き添いの若い女に言い寄られてたらしいぞ」

「元は祇園のホストクラブでホストしてらしいじゃん」

「…口も上手いしなぁー…」

医局に戻れば、先輩医師たちが、俺の噂話で花を咲かせていた。
「相馬先生…俺は別に言い寄られてなどいませんよ…お礼を言われただけです…あらぬ噂を立てないで下さい」

俺を目の敵にする相馬武刃(ｿｳﾏﾑﾄｳ)先生。
彼は東京の実家の祖父が院長を務める『双樹会総合病院』から転任して来た同じ循環器内科の医師。
俺は研修医だから、立場的には彼の方が上。

でも、何かと俺をけん制していた。

でも、彼の言うコトは半分真実。俺は生活費を稼ぐために、祇園のホストクラブでホストのバイトをしていた。

俺が勤める店に出入りし、俺に目を付けたのが京都では有名な老舗呉服店の令嬢の悠里さん。俺は彼女をパトロンに持ち、色々と援助して貰った。
今でも時折、会って肌を交わす、彼女との関係は続いていた。

欲望だけでオンナを抱けてしまう男。

染中さんが大切にする美苑さんの相手としては一番ふさわしくなかった。