オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
後で調べた話だが、相馬先生は母親の実家の力と金を使い、教授を買収し、全ての責任を俺に負わせた。

何の後ろ盾もない俺は、濡れ衣を着せられてしまい、医局内には居られなくなってしまった。

彼が唯の研修医の俺をそこまで嫌う理由は悠里さんにあった。二人は恋人同士だった。
俺は知らない間に彼の嫉妬を買っていた。

俺は病院を退職する。

施設の中では皆から期待された存在だったと言うのに。

俺は女で身を滅ぼしてしまった。

―――洋貴君かい?

「染中さん…」

彼には何も言えずに居た。


―――元気かい?

「元気ですよ…染中さんは?」
俺は彼を心配させまいと明るく振舞う。

―――私も元気だ…どうだ?一度東京に出て来れないか?

「えっ?」

今は唯の引きこもり。
時間はたっぷりあった。

「そうですね…いいですよ…」
彼に相談すれば、俺の医者としての道はまだ望みがある。
東京に戻って、相馬先生の居ない病院に赴任すれば。
医者になりたいキモチは諦められなかった。

―――美苑に紹介したいんだ…知可子さんも君を気に入ってね…是非会わせたいそうだ…

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