オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
傘も差さず、ずぶ濡れになりながら、葬儀会場を見つめる一人の女性。

俺は切れ長の瞳を見開き、表情を引き締める。

―――美苑さん。
染中さんが大切に可愛がっていた知可子さんの娘。

俺に引き合わせたいとずっと思っていた女性。

彼女は素顔でジッと立ち尽くして、雨に打たれていた。

―――まるで罰を受けるかのように。


そんな彼女に傘を差し出そうと歩き出した時、横やりで彼女の方に早足で向かい、傘を差し掛けた男がいた。

アイツは俺の隣で、芳名帳に名前を書き込んでいた男。

相馬祐早斗・・・


相馬家の人間。

俺のカラダの奥から湧きあがって来たのは負の感情だった…


       
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