オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
俺達の元に必死になって駆け寄って来る華に胸がキュンとした。

「お待たせしました」

「俺も今、来た所だ。華」
俺は華が無事に来てくれて安心した。本当は二十分前に来ていたが。

「栗原さんも一緒なんですね…」

「あ、コイツのコトは気にするな…」

「あれ?華さん、誰かに似てる気がしますね…」

「えっ?」
栗原の言葉に華の顔が強張る。

「誰に似てんだ?」

「染中さんに…」

「染中さんって…お前の女じゃないか…ふざけるな。全然似てない…」

「そんなに否定していいんですか?」

「栗原お前…俺達の邪魔をするなら、帰れっ!!」

俺は華の手を掴んで、さっさと栗原を放置して、構内を出て、店に向かった。

しかし、栗原は俺達の後を付いて来た。
何だか刑事に尾行されているようで気味が悪い。

店に入ったのはいいが、ヤツはぴったりと俺達に付いて来た。

椅子に座った俺の脇で突っ立ってる栗原。

「ウザいぞ。いいからお前も座れっ。栗原」

「承知しました…」

俺の隣の席には座らず、華の隣の席に腰を下ろした。
何処まで、ウザいんだ。コイツ。
俺と華を応援している振りして、実はコイツも華を狙ってるのか。



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