オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

祐早斗様は似てないと言い張った。彼の中では完全に私は栗原さんの彼女として認知されている。

全くの別人だと思い込んでいるし。

それだけ私の変装が完璧な証拠なのだろうか、それとも単に祐早斗様が鈍感なのか。

栗原さんと私は顔を合わせ、困惑した。

早く私と二人になりたい祐早斗様は栗原さんを置いて、スタスタ構内を出て、雑踏の中に紛れ込む。
でも、探偵業をしている栗原さんは私達の姿を見失わず、ちゃんと後を付けて来た。

祐早斗様も栗原さんの執拗な尾行に負けた。

私達は三人でテーブルを囲んだ。

「…コース料理は肉でいいか?華」

「はい…」

「栗原はどうする？」

「じゃ俺は華さんを頂きます」

「栗原お前・・・やっぱ帰れっ！！」

祐早斗様は栗原さんの冗談を真に受けて、怒る。