【完結】イケメンモデルの幼なじみと、秘密の同居生活、はじめました。
北斗の彼女
北斗から「お前に頼みがあるんだが」と言ってこられたのは、雑誌の発売から一週間ほどが経った頃だった。
学校から帰ったばかりの美波は制服姿のまま、リビングに入ったのだけど、まるで美波を待ち構えていたようにソファに座っていた北斗に切り出された。
「なに?」
美波は何気なく返事をした。
雑誌を見てしまってから少し時間が経ったことで、美波の気持ちはだいぶ落ち着いていた。
だって、バカみたいではないか。
北斗は仕事で撮影されただけなのだ。
つまり、演技だ。作りものだ。
それは聖羅が北斗のことを好きそうであったって、変わらない事実だろう。
だから、ずっともんもんとするのはおかしいと思うし、理由はもうひとつあった。
北斗はあれからも、美波に接してくれる態度が変わらなかったからだ。
いや、変わらないというか、美波の勘違いではなければ、もっと優しくなった、のかもしれない。
「美波の好きな菓子の新味、発売されてたからやるよ」なんて、コンビニ限定のお菓子をくれたり。
「今日の髪型、かわいいじゃん」なんてほめてくれたり。
以前の北斗もそういうことをしてくれなかったわけではないが、これほど頻繁になんて。
美波は嬉しく思いつつも、内心、不思議に思っていた。
そこにこの『頼み』という持ち掛けである。
詳しいことも聞かずに「嫌」と言う理由などない。
でも、そのあと北斗が言った内容には、心臓が止まるかと思うほどおどろいた。
ソファの隣に座った美波の顔をじっと見て、北斗が言ってきたこと。
「お前、今度、俺の彼女になってくれ」
学校から帰ったばかりの美波は制服姿のまま、リビングに入ったのだけど、まるで美波を待ち構えていたようにソファに座っていた北斗に切り出された。
「なに?」
美波は何気なく返事をした。
雑誌を見てしまってから少し時間が経ったことで、美波の気持ちはだいぶ落ち着いていた。
だって、バカみたいではないか。
北斗は仕事で撮影されただけなのだ。
つまり、演技だ。作りものだ。
それは聖羅が北斗のことを好きそうであったって、変わらない事実だろう。
だから、ずっともんもんとするのはおかしいと思うし、理由はもうひとつあった。
北斗はあれからも、美波に接してくれる態度が変わらなかったからだ。
いや、変わらないというか、美波の勘違いではなければ、もっと優しくなった、のかもしれない。
「美波の好きな菓子の新味、発売されてたからやるよ」なんて、コンビニ限定のお菓子をくれたり。
「今日の髪型、かわいいじゃん」なんてほめてくれたり。
以前の北斗もそういうことをしてくれなかったわけではないが、これほど頻繁になんて。
美波は嬉しく思いつつも、内心、不思議に思っていた。
そこにこの『頼み』という持ち掛けである。
詳しいことも聞かずに「嫌」と言う理由などない。
でも、そのあと北斗が言った内容には、心臓が止まるかと思うほどおどろいた。
ソファの隣に座った美波の顔をじっと見て、北斗が言ってきたこと。
「お前、今度、俺の彼女になってくれ」