元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 悩むように尾の先がくるくる回る。

 ややあって、シュクルは頷いた。

「今夜、時間はあるか」

「えっ? ある……けど……」

「ならば出掛けよう」

(そのときに答えを教えてくれるって考えていいのかしら)

「いいわ」

 ティアリーゼはためらいがちに承諾した。

 今夜は多くの真実を知る日になりそうだと思いながら――。


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