元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「あなたが好きだから言っているの」
退いてしまう前に足を踏み出し、血と煤にまみれたシュクルの首を抱き締めた。
「私たちの場所に帰りましょう?」
「……いいのか」
「なにが?」
「私は思っていたよりも人間を殺すのが好きだ。今、知った」
「……聞かなかったことにするわね」
「わからない」
そう言ったシュクルの声がいつも通りに聞こえ、ほっと息を吐く。
「帰りましょう、シュクル」
ティアリーゼは再び諭すように言う。
「お前がそれを望むなら」
頭を下げたシュクルに、背中へと乗るよう促される。こわごわとよじ登ったティアリーゼは、動くたびに背中へと走る激痛に顔をしかめた。
退いてしまう前に足を踏み出し、血と煤にまみれたシュクルの首を抱き締めた。
「私たちの場所に帰りましょう?」
「……いいのか」
「なにが?」
「私は思っていたよりも人間を殺すのが好きだ。今、知った」
「……聞かなかったことにするわね」
「わからない」
そう言ったシュクルの声がいつも通りに聞こえ、ほっと息を吐く。
「帰りましょう、シュクル」
ティアリーゼは再び諭すように言う。
「お前がそれを望むなら」
頭を下げたシュクルに、背中へと乗るよう促される。こわごわとよじ登ったティアリーゼは、動くたびに背中へと走る激痛に顔をしかめた。