元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 仲間を傷付けられたのなら仕方がない。むしろ、タルツという国が残っているだけよかっただろう。シュクルの行為は正当である――。

 のちに見舞いに来たキッカにも同じように言われ――キッカはよく喋るだけあって、ティアリーゼを納得させる説明も上手だった――ついにティアリーゼは彼らの言い分を飲み込んだ。

 彼らは淡泊な考え方をするが、自分の仲間に対しての思いは非常に強い。種族によって差はあるようだが、特にシュクルは『お気に入り』へ強い思いを抱くようだった。

 確かに、とティアリーゼは考える。

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