元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 形は違えど、もともとは同じ素材のものらしい。

 とりあえず、と拾い集めてみると、結構な量になった。



(本当になんなの、これ)



 適当なカゴを探し、そこに入れておく。

 こんもりと盛ったそれの正体はやはりわからない。



(……ひとまずシュクルを探した方がいいわね)



 昨夜、シュクルの様子は少しおかしかった。

 しきりとティアリーゼに身体をこすり付け、事あるごとに鳴き声を漏らしていたのだが。



(なにかあったのかしら)



 心配しつつ、部屋の外に出る。

 と、ちょうど扉の向こうにシュクルが立っていた。



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