元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「……あなたがよかったって言うのは、なんだか違う気がするけれど」
「ティアリーゼが嬉しいと、私も嬉しい」
「……そうね。ありがとう」
ティアリーゼが食べたことで満足したのか、シュクルは再び焼き菓子をかじり始める。
味に関して特に触れるつもりはないようだが、少なくとも完食する程度には気に入ったようだった。
ただ、そもそも人間の食べ物をそこまで好まないのもあって、口直しがしたくなったらしい。
そのせいで、ティアリーゼはいつもより長めのキスをせがまれたのだった。
「ティアリーゼが嬉しいと、私も嬉しい」
「……そうね。ありがとう」
ティアリーゼが食べたことで満足したのか、シュクルは再び焼き菓子をかじり始める。
味に関して特に触れるつもりはないようだが、少なくとも完食する程度には気に入ったようだった。
ただ、そもそも人間の食べ物をそこまで好まないのもあって、口直しがしたくなったらしい。
そのせいで、ティアリーゼはいつもより長めのキスをせがまれたのだった。
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※
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「俺がお前の居場所になってやる」
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