元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
そう言って、シュクルは勝手にティアリーゼの膝に頭を乗せようとした。さっと足をどけたことで、一方的な膝枕は失敗に終わる。
残念ながらシーツに転がる羽目になったものの、シュクルは懲りた様子もなく再びすり寄った。
「まあ、確かにトカゲより猫に近いかもしれないわ」
(だからどうも憎めないのよね)
ティアリーゼの敵で、人間の敵だったはずの魔王。それがこんなにも気の抜けるトカゲだと誰が知っていただろうか。
(本当にどうしようかしら)
結局、この日も今後どうするべきかは決まらなかった。自身の望みさえわからないまま、また日々を過ごすことになる。
***
残念ながらシーツに転がる羽目になったものの、シュクルは懲りた様子もなく再びすり寄った。
「まあ、確かにトカゲより猫に近いかもしれないわ」
(だからどうも憎めないのよね)
ティアリーゼの敵で、人間の敵だったはずの魔王。それがこんなにも気の抜けるトカゲだと誰が知っていただろうか。
(本当にどうしようかしら)
結局、この日も今後どうするべきかは決まらなかった。自身の望みさえわからないまま、また日々を過ごすことになる。
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