だけど本当は、きみが最初で最後の恋
デートってなにするものなんだろう…。
だいたいアイツと出かけることすら今までなかったのに、いきなりハードルが高すぎない?
そんなわけで、修学旅行の次の日のお疲れのタイミングで申し訳ないけど姫春を家に召喚しました。
「その後あの彼からは連絡ない?会いに来たりとか…」
「大丈夫だよ。なんか樹良くんがいろいろ手をまわしてくれたみたいで。助かっちゃった」
その彼ががんばる理由はあなたのことが可愛くて好きだからなんだよ、とは、今の段階では言えない。別れたばかりでそれどころじゃないだろうし…。
「それで、どこに行くかちゃんと聞いた?」
そう。とりあえずなんか出かけることになったと電話口で話したら場所を聞き出してって言われたの。
だから仕方なくさっきアイツにメッセージを送ったんだけど…。
「とりあえず動きやすい格好で、金は1万くらい用意しとけ…だと」
簡単に言いやがる。あたしのお年玉があんなやつのワガママのために消えていくなんてさ。
アイツ完全に割り勘にしようとしてる。いやアイツにおごられるのなんて偉そうで癪だからぜんぜんそれでいいんだけど、どっちにしろ偉そうで腹立つんだよなあ。
ぶつくさ愚痴っているのに気にも留めず「じゃあ洋服選んでもいい?」と楽しそうに聞いてくるの。可愛い。本当はこの子とデートしたい。