だけど本当は、きみが最初で最後の恋


あの始まりからずっとそう。もっと静かに生きたいのにアイツがいることで静かからはほど遠い。いつも感情は乱される。


縁を切りたい。

近づきたくない。

だって大きらいだし、あっちだって、そう。あたしのことが大きらいだっていつも言う。


知ってる。知り尽くしている。うんざりするほど聞いてきた。もう聞きたくないくらい。


昨日のアレは、そうだ、新たに考えた嫌がらせってことにしよう。

大きらいなあたしにあんなことをされたなんてアイツが知ったら気が狂うと思う。嫌すぎて。吐いちゃうかも。半年くらい寝込むかも。



「ぜったい…絶対に知られないようにしなくちゃ……」



新手の嫌がらせとかジョーダン。


言い訳は考えたけど正直無理がある。バレたらあたしの方が寝込むわ。たぶん半年じゃ済まない。

そのためには、明日にはいつも通りの自分に戻らなくちゃいけない。


魔法は使えない。それならもう、やってしまったことは仕方ない。考えても答えは出なかった。大きらいなことには変わりないんだから、もういい。わすれよう。わすれてしまおう。


それが一番いい。



「あ、起きた」

「…!?!?」



は!?


またあたしの部屋に異物が混入している。成咲だ。

制服のブレザーを脱いでネクタイを緩めて、手にはスマホ。画面にはテトリス。なんかダサい。…じゃなくて。


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