だけど本当は、きみが最初で最後の恋


このまま試合終了。完。なんてことになればいいのに、そう願ってきたけど気づけば長く長くこのくされきった縁は続いてしまっている。


神様、あたしに大吉ください。幸せください。このバカは傍にいりません。



「痛てぇ!やりやがったなクソ女!」

「反射神経ニブすぎるんじゃない?」


全校生徒に聞かせてやりたい今のセリフ。


そうすればアイツ、モテ人生から急下降するにちがいないのに。

あのギャラリーたちもベランダから身を乗り出すくらいなら下駄箱で待っていればいいのに。あたしとふたりきりのときのコイツを見たらみんな絶句して絶望と失望のダブルパンチだろうね。



「おはよう成、とーか」


あ、ふたりきりのときは撤回。


「おはよう弥生(やおい)!」


こちらは小4からのくされ縁、上原うえはら弥生の前でも成咲はバカでバカすぎて恥。


彼は横浜◯星くんみたいな大人っぽくてキレイって表現に近いイケメンでありあのバカとは比べ物にもならない、偽りのないカッコよさを産まれながらに持つ勝ち組。


それなのにかつてチビだったあのバカにはファンクラブまであるらしいけど弥生にはないなんて世の中おかしい。意味不明。

どうせならファン1号の座はいつでももらいたい。小4のころからカッコいいと思ってるんだよ。まあそれ以上に仲良くしてもらってるよろこびを感じてるけど。

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