君の好きなうた
✣紗奈side✣
社会人になって3回目の通院。
診察が終わって、
少しソワソワしながら長椅子に座る私の隣にどすんと腰を下ろした人物がどんな人なのか、視界の端で確認した私は、
心の中で《変わった人だな》と思った。
彼の耳に深く入れられたイヤホン。
手には画面の大きなスマホ。
チラッと覗いたスマホの画面には
可愛らしい女の子のキャラクターが映っていた。
何なんだろ?
アニメっぽいけど・・・。
私は小さい頃からアニメが大好きで
色々なアニメを見てきたし割と知ってる方だとは思ってたんだけど、
この人の見ている画面に映し出されているその女の子を私は知らない。
凄く可愛らしい白のフリフリの服に
クリーム色に染められたふわふわした髪。
私の好きなタイプのキャラクターで
興味が湧き、視界の端でこっそりと覗く。
この男の子、何歳なんだろ?
多分私の年下かな。
よく見ると手持ちのバッグにはたくさんのアニメのキーホルダーや缶バッジがついていた。
今時の男の子ってこういうアニメが好きなんだな〜と関心している私はきっともうおばさんだろう。まだ20歳ですけど。。
「辻原 透さーん」
看護師さんの大きな声が聞こえると
隣の彼はイヤホンを片耳だけ外し、
小走りで看護師さんの元へと行ってしまった。
彼の名前は、辻原 透。
彼はアニメ好き。
今私が知っている彼の情報はそれだけ。
なんだかモヤモヤする・・・
そんな感情を
まだこの時の私は知らなかった。
社会人になって3回目の通院。
診察が終わって、
少しソワソワしながら長椅子に座る私の隣にどすんと腰を下ろした人物がどんな人なのか、視界の端で確認した私は、
心の中で《変わった人だな》と思った。
彼の耳に深く入れられたイヤホン。
手には画面の大きなスマホ。
チラッと覗いたスマホの画面には
可愛らしい女の子のキャラクターが映っていた。
何なんだろ?
アニメっぽいけど・・・。
私は小さい頃からアニメが大好きで
色々なアニメを見てきたし割と知ってる方だとは思ってたんだけど、
この人の見ている画面に映し出されているその女の子を私は知らない。
凄く可愛らしい白のフリフリの服に
クリーム色に染められたふわふわした髪。
私の好きなタイプのキャラクターで
興味が湧き、視界の端でこっそりと覗く。
この男の子、何歳なんだろ?
多分私の年下かな。
よく見ると手持ちのバッグにはたくさんのアニメのキーホルダーや缶バッジがついていた。
今時の男の子ってこういうアニメが好きなんだな〜と関心している私はきっともうおばさんだろう。まだ20歳ですけど。。
「辻原 透さーん」
看護師さんの大きな声が聞こえると
隣の彼はイヤホンを片耳だけ外し、
小走りで看護師さんの元へと行ってしまった。
彼の名前は、辻原 透。
彼はアニメ好き。
今私が知っている彼の情報はそれだけ。
なんだかモヤモヤする・・・
そんな感情を
まだこの時の私は知らなかった。