私の片想い
中学2年になった。
もう中学校を卒業した宏貴くんと会えることはないと思うと、寂しさを感じた。
けれどたまたまいつもより早く家を出た日、登校中に宏貴くんに出会った。
お互い自転車で、気づいてくれるとも思ってなかったけど、すれ違いざまに
「よぉ。」
彼はそう言って軽く手を挙げて、ニコッと笑った。
「よー!」
すれ違った彼に聞こえるように、少し大きめの声で返した。
やった!会えた!笑ってくれた!笑顔かっこいい!やばいやばい!え、もう早起きしようかな!?明日も会えないかなぁ!
私はもうウキウキだ。表情筋が緩みまくる。
私はその日、学校に着いてもニヤニヤがおさまらなかった。
その日以降、出来るだけ早く家を出るようにして、宏貴くんに出会ったら向こうが気づかない時はこちらから声をかけるようになっていた。