【Short】私の大好きなセンパイへ
*
「ちょっとどこ行くの?」
お母さんが口をとがらせて私に聞いてきた。
「センパイとちょっと…」
その“ちょっと”は秘密。
うちの親は私のこと信じてくれてるから、別に言わなくてもいい。
だから少し心が痛むこともある。
「早めに帰ってきなさいよ」
「わかってる」
こんなやりとりをしてから、いつも私は家を出る。
時刻は午後4時。
向かうはセンパイの家。