君じゃなきゃ。
「あたしなら内緒になんかしないなぁ~」
メグミはパスタの手を止めてカバンから携帯を取り出しメールをチェックしている。
「どうして?仕事やりづらくない?」
「別に~。それよりも彼氏に違う女の人が近づく方がヤだもん」
そういえば竹下先輩が健人は女子社員に人気とか言ってたもんな。
「今までそういうの考えたことなかったなぁ……」
「ダメよ、さくら~。ルックスも良くてオシャレで若くて愛想良くて。たまにドジはするけど仕事もまぁまぁできる。そんな良い男、お姉さま方が放っておくわけがない!」
「……言いすぎじゃない?」
「う~ん……ちょっと言いすぎたかもね!でも彼女思いな所もポイント高いよ!?」
「彼女思いかな?」
「愛情表現がストレートだし、ちゃんと気持ち伝えてくれるし……そういうの……無いと寂しいよ……?」
メグミは寂しげに笑って携帯を閉じた。