君じゃなきゃ。


「仕事なら仕方ないって思った?」

「えっ……!」


メグミは今さっきあたしが心の中で思ったことを言い当てた。


「さくらはそうだろうね~……。仕事に理解ありそう」

「……まぁ、自分も仕事優先しちゃいそうだし」

「理解ある女の人って好かれると思うよ~。でもあたしや竹下先輩の彼女は違うの。もっと彼女を大事にして欲しい」

「でも……健人みたいにやり過ぎはダメでしょ?」


言葉で伝えてくれるだけでいいのに、外や会社でも迫ってくるんだもん。

大事にしてくれるっていう度を越している。

さすがにそれはいただけないでしょう。


「ううん、それくらいがいいの!」

メグミは健人の強引な行動がいただけちゃうらしい。


「……さくらは杉浦くんより竹下先輩の方がお似合いかもしれないね」


彼氏の不満を言い終えた満足感に浸るメグミがさらりと言ってのけた。


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