君じゃなきゃ。


そんないきすぎた妄想を交えつつ会話を楽しんだ後、メグミと駅の改札まで一緒に歩いた。


「でもさくら気をつけてね~」

先に改札を抜けようとしたメグミが改札口手前で振り返った。


「え……なっ何に?」

「竹下先輩!」

「先輩?!」


何にどう気をつけろっていうんだろ。

あんな紳士代表みたいな人なのに。



……あ、でも抱きつかれたんだった。


「自分では自覚ないかもしれないけど、さくらって結構美人なんだから!」

「メっメグミの方がかなり可愛いよ?!」

「あたしとは違う……なんていうのかな、ナチュラル美人な感じ」

「……ありがとう」


メグミからの褒め言葉に素直にお礼が出る。

褒められればやっぱり嬉しい。


……でも何が言いたいんだろう。


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