君じゃなきゃ。
「おはようございます」
会社に着いたあたしは自分の席に座り、すでに隣で仕事をしている竹下先輩に挨拶をした。
「おはよう、相川さん。……なんか元気ないね?」
「え……?そうですか?!」
おかしいな。
電車の中で気合入れて、テンション上げたつもりだったんだけど……。
「昨日残業したからかな。大丈夫?」
先輩は眉をひそめてあたしの顔を覗き込んできた。
「だっ!大丈夫ですよ!元気ですってば!」
顔近いっ!!
あたしは後ろにたじろぎながらも、右手でガッツポーズをしてみせた。