君じゃなきゃ。
「相川さん?」
「あっ!」
考えこんでいたあたしは、先輩に声をかけられて我に返った。
声をかけられて良かった。
とんでもない答えに辿り着くところだった……。
「大丈夫?相川さんこそ疲れてない?」
「いえ!あたしはまだまだ頑張れます!」
とっさに胸元で小さくガッツポーズを作る。
「そう?若いっていいね~」
クスッと軽く笑って先輩は片付けを始めた。
「若いって……先輩とあたし2歳しか変わりませんよ」
「2歳変われば大きいよ~」
そんなことを言うけど、小さく笑いながら片付けをする先輩は充分若く見える。
でも一緒にいて人柄や仕事ぶりを知ると年上なんだなって思う。
すごく落ち着いていて、たまに茶目っ気もあって……でも大人で。
年上っていうよりも……竹下先輩がだからこその雰囲気なんだろうけど。