君じゃなきゃ。
メイクしたままの顔を枕にうずめて落ち着いた時、
ブーブーブーッ。
床に置いたカバンから携帯のバイブの音がした。
「誰だろ……電話かな……」
ベッドから体を起こし、カバンを探っている間に着信は途切れた。
携帯の画面を開き、着信を確認してあたしは目を見開いた。
相手は健人からだった。
それはいいとして。
「不在着信20件!?……メール30通!?」
何これ!
いたずらじゃないかと確認するが全部健人からだった。
着信の履歴は20件までしか残らないから……もしかしたらそれ以上に電話をしてきていたかもしれない。
「健人……何やってんの……!?」
自分の目を疑いながらメールを一通ずつ確認していく。