君じゃなきゃ。
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先輩を妙に意識したまま数日が過ぎた。
健人からは毎日メールや着信があったが返すことはなかった。
健人に対してもなんらかの答えを出さなきゃいけない……。
そう思うと少し離れて一人で考えたかった。
メグミからのご飯のお誘いのメールがきた。
仕事が忙しいと、本当は落ち着いているくせに嘘をついて断ってしまった。
メグミは健人とのこと、あたしが何も気付いてないと思ってるのかな……。
職場の席でそんな風に考えていると隣から声がした。
「相川さん、何難しい顔してるの?」
「あ……せ、先輩!あたし難しい顔してましたか?!」
慌てたように顔に手をやって言うと、先輩はにっこり微笑んだ。