君じゃなきゃ。
「……メグミ?どうしたの?」
平然を装ってメグミに話しかけた。
「ううん、ちょっとね。最近さくらに会ってないなぁ~なんて思って」
メグミは装っているわけでもなく、本当にいつもと変わらず話してくる。
「でも今仕事中だよ?」
「そうだよね、ごめん。そこの会議室で営業課の会議があったから……寄ってみたの」
営業課の会議か……。
健人もいたのかな……。
廊下に目をやり、つい健人の姿を探してしまう。
「杉浦くんなら外回りに出てて会議には参加してないよ」
「……え?」
「目が杉浦くん探してた」
さすがメグミ……鋭い。