君じゃなきゃ。


「でも……」


あたしが返事を口にしようとしたとき、何やら店内が騒がしくなり始めた。



「お客様!困ります!そんな勝手に……!」

「だってここにいるんでしょ?竹下って名前で予約してる奴!」

「そうですが……!」


店員ともめてる客の声……


これって……。



「……竹下って僕のことかな?」

「……かも……しれないですね」


先輩と二人で目を合わせる。


たぶん、先輩もわかってる。


この声の主……。


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