君じゃなきゃ。


「いや、いいよ。今日はもう帰ろう」

「え?」


先輩は両手を組み天井に向かって大きく伸びをする。


「僕、帰る気満々だったんだ。だからもう明日にしよ?」


先輩らしくない……そんなときもあるのかな。

「は……い……」

でもせっかく資料の場所がわかったから、明日のために資料だけでも出しておきたい。

そんな気持ちから重たい返事をしてしまった。


「ん~……じゃぁ資料だけでも探しておこうか?」

ダダをこねる子供をあやすかのように先輩は優しく提案してくれる。


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